飽きる秋

ご機嫌斜めな秋。気分の低迷する秋。そろそろ冬眠準備の秋。食欲の秋と言って食べ過ぎて腹を下す秋。ともかく、腹立たしい事がやたら目につく秋は絵の描き時なのだ。腹が立つ程に筆が進む。いい事じゃないか。夢見の悪いのもまた秋であって、眠って眠って苛つき起きて起きては苛つき。どうにかして欲しい。と言ってまた他力本願。同居人に日々苛ついて反省。舌の根も乾かぬうちにまた苛つく。人としてどうなのよと思いつつ、けれども自分が全部悪いのか?わたしが悪いのか?すみませんね。もう嫌よ何もかも。みたいな、子供みたいな、また、癇癪はいけないよ。いけないよいけないよばかりでもううんざりする。絵を描いていたら見せたくなる、見せたら見せたで、あれはいらないんじゃないかだとかこれはいいとか悪いとか言って欲しかったんだかただ見て欲しかったんだか、うるさいな…と思ってだったら最初から見せなきゃいいし聞かなきゃいいのだけれども、まだ3割程しか出来てないものに向かってうるさいなと、わたしがわたしの頭で想像してそれに近づけるべくちくちく作業しているのにその醒めた目は何だと…いやいやいやだったら見せなきゃいいし聞かなきゃいいし、そもそも他人の目等どうでもいいじゃないかと。どうでもいいけれども、率直な感想という奴は誰からでも聞けるもんでもないし、信頼に足る感想を言ってくれる人間も限られているので仕方なしと思うも苛々する。わたしは今からわたしの思う通りに生きる事にするよ。そうやってわざわざ言葉にして宣言してみないと実が、中身がないらしいし、芸術的思考を持っていないし、くだらないらしい事ばかりに支配されてしまうからね。けれども、中身のないくだらない事の方が好きだし面白いと思うし馬鹿みたいでどうしようもない人間に面白味を感じるからこれからも真面目にはなれない。もう嫌で嫌で仕方ない。意味がなきゃいけないのか?わたしに価値がないのをどうしたらいい?過去の膨大な無駄をどうやって無かった事にしたらいい?生きている価値が無いとして、けれども死んでしまいたくもないのだけれどどうしたらいい?首を締められたら苦しいし、切ったら痛いし、死んだらどうなるのかわからないし、無くなるっていうのは?無になるっていうのはどういう事?頭が痒い。頭皮が乾燥して痒い。雨が降って寒い。