英国紳士

レイトン教授と不思議な町」終了。やっと終った。ちょっとストレスになるくらい終らせなきゃ終らせなきゃ思っていた。こういうやり方をするからゲームが面白くないんじゃないかなと思う。こういうやり方をいつ憶えていつ身に付けたのかは解らないけれど、ストレスはなるべく感じない方がいいと思うんだ。こんな事にストレスを感じるくらいならば、もっと人間関係とかに悩んだら優しい人間に慣れたかもしれないとも思うんだ。


カエル、と、わたしは思っていたのだけれども。のぺっとしたサンショウウオのような形態をした目玉の小さい粘液に包まれた手足の細く短く小さな生き物を握っている。片手で握れる程の胴回りに150mm程の長さ。宿題が出たのだ。ひとり一匹捕まえてくるようにと。死骸をわたしは拾った。まだ捕まえるつもりで、けれどもう一匹は手に入った安心でゆったりと歩く。ふいにわたしは緊張し、カエルを眺める。カエルの尻から中身が溢れ出そうとしている。死んだからだと理解しつつも、溢れ出る内部をこぼさないようにカエルの頭を下にして、握り過ぎないように細心の注意をはらいどこか安心できる場所にカエルを保存しなくてはと思う。通りの向こうに生きたカエルを捕まえた女の子を認め、わたしは、わたしの頭は、混乱し始める。混乱は指先にも伝わり、カエルを握る指の力をコントロールできない。内部は何度も溢れ出そうとする。内部には新しいカエルが見える。粘液に包まれていず、緑色の固そうな表皮を持ったいぼいぼのちらりちらりと視線が合う。まだ、生まれ急ぐな生まれ急ぐな、そうだこいつは死んでいる。生まれ急ぐな、握りつぶすな、斜めにするな、あふれさすな、生まれ急ぐな。僕はわたしは耳鳴りがして目が泳ぎ始める。視界が狭くなって指先が冷たくなる。震えながら滝のような汗をかく。背中にお腹、脇を伝って肘に汗が落ちる。カエルは?唇の水分がなくなる。一瞬気持ちがよくなる。ふわっとした重力が無くなる瞬間がどういうものかしらないけれど、そんな風な気持ちになって。
カエルを潰した事は、生まれ急いだあいつを殺した事でわたしは随分ほっとする。胸を撫で下ろし、また、カエル捜しにもどる。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)