日常

絵を描こうと思って机に向かい散々描いてみて新しい事も出来ず、かといって今迄通りに手を動かすなんて馬鹿馬鹿しいわと思って、そんならやるべきじゃないのよと思って、けれども描かずにいたらわたしは絵描きではないんだわと思って、じゃあ絵描きなんてやめちゃったらいいのよと思って、名残惜しくて、更には絵描きをやめてしまった自分がもう死んでしまうしかないような気持ちになって、猫の様にじゃれつく。じゃれついて有耶無耶にしてしまった自分にがっかりしてロフトに籠り本を読む。図書館に行かずともまだ読んだ事もない本が山の様にそこに積まれている。どこへも行かなくていい事を確認してから外へ出る。鬼畜な物語を何編か読む為にエスプレッソマシーンの素晴らしく素敵な喫茶店へ入り、隣の客に嫌悪を抱いて早速去る。


新しい絵を描こうと思って、無理矢理に崩してみるけれどもちっともいいと思わないから先に進まない。けれども今のまま対策のないままに進む気持ちにもならない。それなら描かなきゃいいじゃないかとそれなら暮らさなきゃいいじゃないと同じくらい実行に移す気のない事を思ってみる。