僕の虚しい努力の末

面倒な事が多すぎる。「帰りたい」が口癖の会社に居る意味がよく解らない。けれども「忙しい」が口癖になると京都へ来た意味が分からない。一体何が優先されるべき目的であったのかを度々見失う。いらないと思った関係を清算出来ないのも優柔不断の為せるところか。主義として参加したくないあれやこれやも、その主義に一貫性がないから断り切れない。わざわざ酷い事を言う事はないと思うのだけれど、破壊できない事に腹が立って無駄に暴れてみたりなどしたいような気持ちになるけれど、後味が悪い。非常に悪い。汚臭を放っているのはつまりその部分だと、しかめっ面して指摘して、けれどそれはわざわざ言う類いの事じゃなかった。そんな事は言う必要なかった。温室のハナはいつでも待っていると言ってくれたけれども、私にはそこへ行く道を真実だと思えなくなってしまっているのじゃないかと思って、私は河の真ん中あたりできょろきょろと動けないでいたけれど、漸くあちらに行こうと思えた時に自分の意志に逆らって別のところへ引っ張られた。占い師が自分より周りの人間を信用しろと言うものだから、それはやはり正しい選択であったに違いないと思うのと同時に、私の時間は私の為だけのものじゃないのかしら?だとか、私が安全でなきゃいけないなんて事はないのになだとか。いやいや、感謝しなくてはと思ったり。茶碗に大量の吐瀉物を引っ掛け、つまり私は酔っぱらって笑いながらそこらに粗相してしまって、それがどうしたと思いながらゲロに溺れ溺れて窒息しつつ足掻いた先もまた汚物。キレイな夢なんてものが一体私に見られるものか?与えられるものか?私はゲロまみれで起き上がって、顔に乾燥した得体の知れないものをこびりつかせて、腐った喉の奥を潤すべく立ち上がる。充分な酔いは朝目覚めても途切れる事無く足を振らつかせ、目眩を起こして尻餅を付かせる。笑ってくれるなと這って冷蔵庫の扉を開け、ここはつまり私の家でないと気が付いてまた笑う。目を瞑ると世界が回るし、目を開くと吐き気がする。一体これはと思いながら、漸く、漸く鍵をポストへ入れて帰宅。帰宅と言って一体何処へ帰宅したらいいものやらと大体駅はどっちだと、ふらふら歩いてまた吐いて。酒を飲む度に減る体重。これはいいダイエットを考案したものだと、いくらでも喰って飲んで痩せこけると。始終体重を気にしている皆さんは見習ったらいいよねと。けれど煙草は駄目だ。煙草を吸っては酔いの回りが速すぎる。速すぎる酔いは面白味ってものがない。酔いは長々少しずつが塩梅いい。とはいえ、この禁断症状、手の震えは多少見逃して欲しいもので。けれどね、私は酒が切れて手が震えるのでなくてね、神経質的なものでね、緊張したり見ず知らずの人と食事をしなきゃならないって時には大抵手が震えるんだね。だって実際そんなに飲んじゃいないんだからと言って煙を吐き出す。全くもって絵にならない喫煙者だ。喫煙の価値ってものがない。ほら、新しいのが出るとちょっと手を出したくなるじゃないの。喉ががらがら言ってしまって、煙草は身体に毒なのよって。それじゃ精神を汚染するあんたの吐く息はどうなのさ?あんたの作るあれやこれやで私の精神が汚染されるってのはどうしてくれるの?あんたの作られた笑顔を滅多刺しにしたいって心が汚れるんだよ。ほほほってまた。またまたまた、ご冗談を。えぇえぇ、ご冗談ですよ。だから笑って済ませてちょうだい。くだらないだなんてごめんなさい。それがあんたの唯一、晴れ舞台だって言うのに。でもやっぱりくだらないと思うよね。大丈夫大丈夫。そんなものよ。私は違う私は違う。私は無理。だって陳腐だ。けれども私もやはりどこか別の街角から見たら、海上から見たら、地下から見上げたら、陳腐だ。