恐ろしいと思う事

先日、怒っていまして。「あなたそれはどうかと思うのだけれど、どうお考えですか?」と敬語で怒っておりまして、噛みまして。「あなたは蚊帳の外でしょう?」と言おうとして「蚊帳の外」って言葉がどうも面白味を含んでいるようで怒りには不適当かしらと、「第三者の癖に」と言う方がいいのかしらと思いまして、そんな事を考えてしまったので言葉に詰まりまして、その上で噛みまして。一瞬勢いで流してしまえと思ったのですけれど、どう見ても笑っていらっしゃるので我慢した私の頬も緩みますよという事で、怒り切れなかったのだけれど。噛んじゃ駄目よねってお話でもあるのだけれど、空気読んで我慢しろよってのもあるの。


余計な事されたと、女の所へ転がり込む。くどくどと述べてやると「あんたの絵はその程度だもの」と言う。慰めてください、嘘でも。と頼む。首をふりながら「でも、悪くなかった」と女なりの褒め方をしてくれる。しばらく独りになりたいのだと頭をぐるぐる回しながら話す。話しながら、私は僕でも構わなかったと思う。けれども僕は外で意味の無い言葉の撤去に忙しかったからとも思う。今回は日の目を見ろよと送り出す。やっぱ怒っても悪くないんじゃないの?と女に聞く。「そりゃ悪くない。」ほら、悪くない。「ただ、もっと敏感になるか図太くなれ」と言う。恐らくそうだ。


眠る前に怖い話しをしてもらう。あまりに怖すぎて眠るのに苦労した。生きた人間は非常に恐ろしい。殺してくれたらいいじゃないかと思って、そのようにしてもらった。わたしとしてはそれ程苦しくないだろうと思っていたのに、苦しい。苦しいし手を振り払おうとする。なんだよ、殺して欲しいんじゃないのか?と言って呆れられる。わたしも呆れる。