雨は嫌いですか?

雨が嫌いですという誰かの好みを聞き、わたしは雨はそんなに嫌いでもないかなと思う。気分ひとつで晴天に唾を吐きかけたくなるので。けれども晴天だって嫌いじゃない。嫌な女の顔を思い出して、嫌なところひとつひとつを思い出してやろうと思ったら、案外思いつけなくて嫌いでもないなという結論に達し、そもそも顔も大して覚えちゃいなかった。けれど、確かに嫌いであったはずなのだけれど。物忘れが激しい。物忘れが激しいと人を嫌いになる事もできない。色々な事に欠席している。


ゼロに戻すという事に取り憑かれ、更地にして立て直し、また更地にして立て直しを続けた結果、今に至る訳だけれど。そもそも何一つまともに完成出来た物はない。努力が足りない。もっと努力すべきであった。だから、今からやる事はいちいち完成させてやろう。


死ぬ迄の時間を計算する。と、一体いつまで生きたらいいのかという事になり、自然死なのか自死なのかという事もあり、突発的事故だとか病気もあり、自然災害もあって、だから解らないんだなと納得し。だから、死ぬ迄の時間は?と振り出しに戻る。時間の無駄というのはこういう事なのだろうと思って、明日の事をまず考える事とする。


夢の話は大抵面白くもなく、それはつまり伝え方がよろしくないからで。酷く怖いのにその怖さを言い表せない。その癖、聞き手に聞く能力が欠けているのではないかと腹を立ててしまう。素直に謝ろう。