鳩よ…

日がな鳩の話を振っていたら同居人に「その話面白いの?」と落ちのない話する様な奴は糞だ的な雰囲気を多分に含んだ顔で言われたので鳩の話はできなくなった。鳩の話どころかそれ以外の普通の一般的面白くない日々の話もできないってもんだ。後は死んだ貝の如くひっそりとみそ汁の出汁にでもなるしかない。とはいえ、そういう事を遠慮なしに口に出す人間は別段嫌いではない。後は心を強くして話し続けるか、つまんねーと思いながら口を開かぬ事にするか、面白い話ができるようになるかだ。で、鳩が玄関脇上部の箱ー何かのメーターが入っている箱ーに巣を作ろうと躍起になっていて小枝を運んでくるのだが見事に全部落ちているっていう話で。下に傘が置いてあるからそこで糞をされると知らずに傘を開いた瞬間「うんこ!」って呟く、若しくは叫ばねばならなぬ事になる。恐らく、鳩は卵を産む気であって、巣の材料である枝も満足に置かれぬ所で卵を産んだらどうなるか想像に難くない。「鳩よ…」と。ここ3,4日程枝が玄関にバラまかれていて、枝一本の上に鳩かくーとか唸りつつしゃがみ込んでいたのだが、今日ついに巣らしき物が出来上がっていた。鳩よがんばったな。鳩よ、けれども迷惑だ。鳩よ、掃除のおじさんに気を付けろ。鳩よ、鳩の話題は終わりにするよ。やっぱりオチは考えられないからな。




欲望という名の電車」観劇。酔った勢いで会社の人と行く事になり、なんか面倒臭い事になったと思ったのだが、演出は松尾スズキさんだし主演は秋山菜津子さんだしと思って観たら、秋山菜津子さんの痛々しくかつ美しく脆そうな雰囲気がひどく良かった。「欲望という名の電車」と「存在の耐えられない軽さ」を何となく混同していた。勿論、全く別ものなんだが。年齢的な事もあって身につまされたり…。

その後、会社の人と飲んだのだけれど、まー飲む事。もうちょっと前に知り合っていたら仲良くなれたかもねっていう飲みっぷり。そんなに飲んでいないのに帰りの電車で見事、貧血、腹痛をおこし、大阪では酒を飲むか煙草を吸うかどちらかにしようと心の底から思った。電車の何かが身体にあわないんだ。