限られた人間との時間

誰でも死ぬんだという極当たり前の事をしばしば忘れてしまうのだけれど、忘れてしまおうとするのだけれど、忘れてしまったところでそれは当たり前の事だから何かというと「あぁそうだった」と思い出される。

という事をもっとどうしようもない内容を3日前あたりにつらつらと書いたけれど、それより何より、大文字の送り火はちゃんと点火されるのかが非常に気になる。今日の夕方から雨が降るらしいのだけれど、20時からちゃんと火がついてご先祖様達は帰れるのだろうか?昨日は目をつむると生首だとか女だとか男だとか蟲だとかが大量に瞼の裏に現れるので、身じろぎもせずにじっと眠ったフリをし続けた。
そうして今日、9時に到着するように家を出て、曼殊院で幽霊画を観賞しに行く。幽霊画が最初ちっとも見付からず、ひとり院内を巡り巡り、というのも朝早かったせいか他に参拝者がいなかったからで、ぐるぐる巡ってもう受付の人に聞こうと思っていたら見付けた。恐ろしい形相と言えば言えなくもないけれど、絵の印象より「写真を撮影をした方について責任持てません」といった内容の張り紙の方が恐かった。それにしても、満珠院に辿り着くのにえらい苦労した。上り坂下り坂が何度もあって息絶え絶えの上、汗が出るわ出るわ。あまりのぐっしょり具合に団扇をどうぞと言われたよ。下鴨本通りを下って古本市を覗き、くらくらしたので水分補給。更に色々回り、けれども夜に備えお昼に帰宅。

空の色が変わってきている。雲が灰色だ。雨降ったらどうするのだろう?