頭の痛い

直島へ旅行 11月1日
京都駅から高速バスに乗り、高松へ向かう。バスの臭いにやられつつ眠ろうと努力するも、お嬢さん方の止まぬおしゃべりに吐き気をもよおす。漸く、高松駅前に到着し、フェリー乗り場へと歩くうち気分が盛り上がる。ついでにお腹が減る。フェリーに小一時間程揺られ、鬼ヶ島を横目に直島へ向かう。到着すると赤いカボチャがぷりっと海に向かっていて更に愉しくなる。私の記憶では黄色いカボチャであったはずなので、あそこは直島じゃないんじゃないの?とちょっと思うが、そこが直島であったらしい。予約していた自転車を借りる為宿へ向かうも、宿のおばさんは留守。勝手に自転車を借りていいという事で、自転車に乗って散策する。そこいらに点在する「家プロジェクト」。全部はいいやと大竹伸朗 「はいしゃ」を見学。400円って高くないか?と思いつつ、そんな事を思ったせいか妙な覗き穴で鼻を強か打つ。つーんとした。しばらく腫れる。内側はともかく、外側は非常に面白く、夜はぴかぴかしていた。もう一つ見たいと思っていたジェームズ・タレル安藤忠雄の「南寺」へ。予約がいっぱいらしくもう見られないとの事。意外に人の多い直島に驚く。夜は宿近くのカフェへ。あれやこれや売り切れ。商売気のない島なんだと思う。夜、小腹が空いたとラーメンを食べに地元の人しか来ないような店へ。おじさん達が席を空けてくれるも、男子と思われていたらしい。ひとしきり謝られ100円玉を貰う。お詫びらしい。しきりに俺は彼女がいないからと明日仕事が休みだから暇だと言っていた。一体何の仕事をしているのか、聞くべきだったと思う。


直島で生活 11月2日
朝ご飯を食べてすぐ、ベネッセミュージアムへ。進剣ゼミのアレです。日曜は自転車乗り入れ禁止という事でてくてく歩く。海岸に散らばる作品を見つつ山を登りつつベネッセミュージアム到着。砂で作られた各国の国旗を蟻に行き来させる作品があり、もう蟻はいないのだけれども非常に面白い。全部繋がっているようで繋がっていないのは蟻がもう掘るの嫌になったからなのか、死んだのか?
人が多過ぎたら嫌だなとかでも仕方ないなとか並ぶのかなとか思いつつ、地中美術館へ。入る前に館内での注意事項の説明があり、「建物も作品であるので壁にも触らないように」という言葉に多少反発を覚えつつ、入館。2つ3つと作品を見る内に、「建物も作品だわ」と思うようになる。そりゃもうあっさりと。モネの睡蓮なんてそんなに興味もなかったのに、天井から差す光で水面の色が変わる様子なんて見てしまったら動くのに苦労するくらいに魅入る。そしてたまたま、その部屋に私と作家以外人がいなくなるというシチュエーションで楽しめた。非常に幸運。そしてもうひとつ、ジェームズ・タレルの光の作品が素晴らしい。自分の絵も、内側から見せる、入り込ませるというのも面白いかもしれないと思う。
その後、南寺に向かうもまた、「今日の予約は終了です」の看板があり、取りあえず聞いてみようとおじさんに聞いたら最終の整理券を貰える。聞いてみるもんだと思う。大分時間があったので、釣りでもしようとまた山道を上り下り釣り公園という所へ行ってみる。阿呆かってくらいの坂。阿呆かってくらいの釣りの値段。さっさと諦めまた阿呆かってくらいの坂を上り、途中「火のない石灯籠」という看板を見付け、ちょっと行ってみましょうよと自転車で乗り込むも、最近人が通った気配がない程に荒れた道で、かろうじて道と言った具合。それでもずんずん進み、ちょっとした広場に出たけれどその先がもう獣も通ってないんじゃないのって雰囲気の道で、戻る時間を考えると余裕がないので次回は上ろうと断念する。
「南寺」は、入ってみれば分かるの言葉通り。入ってみると分かる。


高松でうどんを 11月3日
朝早くに宿をチェックアウトし、高松へ戻る。バス停の猫とは度々煙草を吸いに行ったので仲良くなった気になった。島には猫が沢山居る。
高松駅から丸亀へ行く為、予讃線だったか…に乗り丸亀駅へ。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館へ行く。現代美術というやつが私は結構苦手なのだけれども、それというのもなんでも有りじゃないか。自分のやっている事を嫌でも考え直す。考えた所でどうって事もないけれど。美術館壁面の絵が一番好きだと思う。
美味しいうどんを食べようと地図を見るも、日祝日は休みが多い。製麺所に行ってみたかったのに。
高松へ戻り、佐伯祐三展というポスターが気になったので高松市美術館へ。近いと思っていたら結構歩く。佐伯祐三というフランスで亡くなった方の絵。描くのが早かったらしく点数が非常に多い。壁の具合がとてもいいと思う。風景画であるのに感情がやたら全面に出ているように感じる。日本には自分の絵に合う風景がないという風にあり、そう言う事は思ってはいけないように感じていたので、なぜか、どうしてか、は置いておいて。それも別にいいのかとまたひとつ剥がれる。何かを剥がす為に、他の人の絵も見るものだ。
バスに乗って帰宅。一番前の席で夜景がとてもキレイで酔いもしなかった。だいぶ渋滞していたようであるけれど、バスの運転手さんは腕のある人であったらしく15分程度の遅れで京都に到着。
京都へ入ると帰って来たという気持ちになる。家が京都になったのだなと思う。



京都暮らし 11月4日〜
頭が痛くって仕方ないと思いつつ鎮痛剤を飲む。ぶらぶらと散歩していたら観光客の方々がいた。ここも観光地なんだと思う。実家にいて旅行者に会う事なんてほとんどないもの。